復讐のkiss
「そう思ってくれるなら、

…この国にいてくれ、ミラ。

オレと共に、この先の平和を守ってほしい。

傍にいてほしいんだ・・・

オレは、ミラを心から愛してる」


…私はドレスをグッと掴み、泣きそうになるのを堪える。

そして笑顔を作り、首を振った。


「…私と貴方は正式な結婚式も挙げてはいない。

今まで夫婦ごっこをしてたのと同じ・・・

妹の元に帰らなければ・・・

約束したんです、復讐が終わったら、ジェヘティに帰ると」



「…気持ちは変わらないのか?」


「・・・はい」


「・・・そうか・・・わかった」

そう言ったラメセスの手から、力が抜けていくのが分かった。



「…今まで、ありがとうございました」


・・・


「ミラ、オレは認めないぞ。

ラメセスのように簡単に、お前をジェヘティに帰すことなど。

ラメセス、お前がミラを手放すと言うなら、

オレはもう我慢しない。

正式な式も挙げていないのだから、

ミラをオレのモノにしても誰も何も言えないだろう?」
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