夏色

「…ね。起きなさい。朱音」

ん~~~


「なに?」

「着いたよ。新しい家に」

新しい我が家!?

どれどれ?

車を降りて、新しい家を見た瞬間絶句なんてもんじゃない


「なんで、い、いいいい、一戸建てなの!?」


「あぁ、だって朱音も年頃だし、アパートで一緒の部屋よりも
1人部屋のほうがいいだろうって思って」

っう

そ、そりゃ確かに

1人部屋のほうがなにかと、いいけれど…

まぁ、しょうがないか!

「宮原さん。こちらでよろしいですか?」

「あ、はーい」

しっかりしてよ?

いくら、父子家庭とはいえ
パパがしっかりしなくちゃいけないんだから!

「では、こちらにサインを…」


「あっはい」

なんて、アタフタしながらあれこれやっていた

「では、ありがとうございました。」

そういって、荷物(大物は、部屋にセッティングしてもらってある)をある程度の
場所において帰って行った引っ越し業者の方々

全くもう!
何もかもが優柔不断なんだから!

”もうすぐ。もうすぐ会える…”


「え?」

「どうしたんだい?」


「なんでもない」

い、今確かに声がした

夢で見ていたあの声と同じ声が
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