散華の麗人
「俺は細川一正の兄。八倉雅之だ。」
そう名乗った男は話を続ける。
「兄?そんなこと、聞いたことがない。」
「弟は俺を知らぬ。」
そう言って、寝ている一正を見た。
「いいや。記憶にないだけだが。」
訂正して、口角を上げる。
嫌味を含んだ笑みに風麗は眉を寄せる。
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