散華の麗人
すると、向こうから洋風な服の青年が来た。
「お!新米さんかいな??」
不思議そうな表情をしている青年は、落ち着いた雰囲気の和風の城と似合わない雰囲気だ。
「はい。」
(他国の人?)
彼女は青年に答えながら思う。
「……貴方は?」
「?」
質問された青年は不思議そうな表情をした。
「どちらからいらしたのですか?」
「城からや!!」
青年は威勢よく答えた。
(家臣か)
彼女は思った。
「あんたの名前は?」
「え?」
(家臣は普通、来客に名前なんて尋ねないよな……)
彼女は訝しんだ。
「風麗です。あの……貴方は?」
「わしか?あっはっはっは!!」
青年は何が可笑しいのか、笑っている。
「聞いて驚け。超有名人やで。」
(そんなに有名なのか?)
風麗は首を傾げる。
「わしは細川一正。この城の主や!!」
「え!?」
(国王!?)
風麗は思わず声を上げた。
「城の主と言うくらいなら、もっとしっかりとして欲しいものよな。バカモノめ。」
一正の後ろから、老人が杖をついて歩いて来る。
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