散華の麗人
風麗は唖然とした。
(……ほざきやがるな……って……)
そう思いながら、言われた相手を見る。
「ひどいなぁー。」
一正は変わらず、笑う。
「本城に残したのは、あんたが分城に居ったら陸羽派に狙われると思ったからで」
「存じてます!!だから、怒っているのです!」
「な、なんでやねん!!」
「夫なら、妻くらい自分で守りなさい!!」
「んな、無茶言うな!わしにだって、やることが山積みで」
「つべこべ言わない!そんなの、わらわと分け合えば問題ないです!」
「問題あるわ!これ以上、あんたの負担を増やせるか。」
「負担が増える?何を今更!そんなの、出会った時から覚悟してます!!」
怒る千代に思わず、一正もムキになった。
(痴話喧嘩……)
風麗はいたたまれない。
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