散華の麗人
残るは敗者の緋い死体。
この身と同じ色。
生死の違い以外に変わらない。

気を少しでも抜けば、消していた感覚が蘇る。

ぬるりと温かな血。

気を引き締め、風麗は歩いた。
人前に立つ手前、ある程度は血水を拭ってあるが、衣服に付いた血はべっとりと生々しく残っている。
相手は、戦中だと認識している為、不思議には思わなかったが、やはり眉を寄せた。
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