散華の麗人
少しの沈黙の後、決断した。
「わかった。」
そして、顔を上げる。
「わしが行く。」
「陛下!」
「誰も付けなくていい。」
一正ははっきりと言った。
「筑波へ行き、指示を出す。……確かめたいことがある。」
僅かに苛立っている様子で言う。
「陛下!」
茶々が叫んだ。
「総大将ということ、お忘れですか?」
そして、静かに言うと一正を睨んだ。
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