散華の麗人

想いと現

細川分城では鍛錬していた兵はそれぞれの部屋に戻っていった。

リアンと月夜もまた、部屋に戻る。
(春凛……)
リアンは写真を見る。
同じ髪色の恋人。
自分の為に死んだ人。
(まだ生きててくれたならば……どんなに救われるか。)
そう願いながら写真をしまう。
ありもしないことを願ってしまう。
その願いを振り切って、策を巡らせる。
彼の前ではすべてが駒だ。
「もうすぐですね。」
リアンはニヤリと笑った。
(足りない駒は後少し……)
「ふふふ……」
月夜は楽しむように笑った。
「夜が明ける。」
月夜は立ち上がると声を発てて大笑いした。
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