散華の麗人

師匠

風麗は八雲と共に本城へ向かっていた。
風麗よりも小柄な青年。
以前見かけたときにそう思ったように、相変わらず目を引く美しさだと感じた。
「先ずは隠居様に報告しなければ。」
そういうから本城に来た。
その話を聞いた陸羽は大層呆れた顔をした。
「……まぁ、他国へ行くという相談をしただけ、成長をしたということにするか。」
ため息混じりに言う、
「儂がそのあたりの話はつけておく。沢川を連れていけ。」
「?」
「あやつは竜華国への道に関する知識がある。」
不思議そうな顔をした風麗に陸羽は溜め息混じりに言う。
陸羽は眉を寄せて目を細めた。
「有難うございます。」
「なに。日頃、バカモノが世話になっておる故、ほんの礼よ。」
深々と礼をする風麗に陸羽は言った。
「表にある馬を使え。」
そう言うと、陸羽は去った。
「八雲。頼んだぞ。」
「はい。」
去り際に顔を合わせずに言った言葉から信頼されているような心が伝わった。
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