君だけの天使になる




 最近春香は、日記を書き始めた。
 俺はその日記を読んで、
 
 春香の想いに胸が苦しくなる。



“白ちゃんがいなくなってもう3日。

 私、どうしていいのか分からないよ。

 ねえ白ちゃん。

 見ているなら前みたいに笑って

 春香って、呼んでよっ――...。
 
 ...私馬鹿だね。もうどこにも
 
 白ちゃんはいないのに”




 春香。
 もう悲しまないで。

 
 
 眠っている春香にそっと触れる。
 感覚はない。
 
 だけど、この目の前にいる愛しい
 春香に触れて慰めてやりたいよ。



 
「春香...」


“何?白ちゃんっ!!”



 今のは、幻聴??
 俺の声が春香に届いた。


 幻聴じゃない。
 たぶん、春香が夢の中で話す声が
 俺に届いたんだ。


 今なら、話せるかもしれない。
 

「春香。よく聞いて?俺はもう死んじゃ
 ったから春香の願いを叶えることは
 できない。だから―――」



“何?白ちゃん、なんて言ってるのか
 分からないよっっ、白ちゃん、待って!」



 どうやらそこで、会話が終わった。



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