【短】女子高生と幽霊
家に帰るとレイさんは、大きな箱と折り紙を持ち、私の部屋のロフトに行った。


「絶対見るなよ?」

と言って。

鶴にでもなるつもりだろうか。


部屋にはレイさんが折り紙を折る音だけが響く。


随分と集中しているようで話しかけづらい。


意を決して

「何折ってるの?」


と聞けば「秘密」と言われた。








この日から、私とレイさんの会話は減り、レイさんは折り紙を折り続けた。


私は不安になるばかり。本当に鶴になって飛び立つ気がして。
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