恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「…和菓子の販売の子と、約束してるから」



長く感じた数分は、多分数秒だったんだと思う。
やっと出た答えに私は落胆した。



「そ、そか」



嘘だ、和菓子に友達なんていないじゃん。


でも…うん。
仕方ない。



「じゃあね」

「恵美!」



そそくさといなくなろうとする恵美に、やっぱり本気でウザいと思われてるのか、考えれば考えるほどくじけそうになるけど。
だから、考えないことにした。


踵を返しかけた恵美を呼び止めて、不意にだったからか今日初めて目が合った。



「私は、友達で居たいと思ってるから!だから、明日も誘うね」


ふはは。ストーカーか。


「毎日誘うね。じゃあね」



呆気に取られる恵美を放置して、今度は私が踵を返す。
あ、しまった。こっち向かったら社食から遠ざかっちゃうじゃん。


すぐに気付いたけど、もう戻る勇気はなくて、どこに向かうともなく早足で歩いた。
< 130 / 398 >

この作品をシェア

pagetop