恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「いっつも藤井さんの送迎でも悪いだろ」



それはそうなんだけど。
別に、元々必ず誰かが必要なほどのことでもない。


そう言って断ろうと口を開く前に、すぐ隣からランチプレートを持った女性に声を掛けられた。



「すみません、ここ空きますか?」

「あ、はい。どうぞ」



気づくと、先ほどよりも混みだした社食はどの席もいっぱいで。
中途半端な体勢のままでいた私は、すぐに姿勢を起こしてプレートと荷物を手にした。


笹倉に何か言おうとしたけど



「じゃあ帰りな」



と手を振られて、仕方なくその場を離れる。



「あれ?」



と、首を傾げた。


私、帰り藤井さんが迎えにきてくれてること話したっけ。
しばらく思い起こしたけど、はっきりとは思い出せないので。



「多分、話したんだな」



諦めた。
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