恋愛放棄~洋菓子売場の恋模様~
「な。人に言われたくらいでどうにかなるくらいなら最初からこんなことになってねぇ」



背もたれに背を押し付けるように身体を伸ばすのを、私は見上げる。


正論だ。
でも。



「考え直すきっかけにはなると思う」



笹倉は、少し目を見張って私を見た。
私はそれを、まっすぐ見つめ返す。


ふざけてるわけじゃないし、考えなしで恵美の言葉に揺らされてるわけじゃない。
それをわかって欲しくて目をそらさずにいた。


笹倉もそうなのは、私の真意を推し量ってるように思ったから。



「……ふ」



唇を歪めて彼が笑った。



「なによ」



私は、尖らせる。



「お前が考え直したら、恵美ちゃんの意見とは逆方向に答えだしそうだからな」



立ち上がると、羽織っていたシャツを脱ぎながらソファから離れていく。



「もう二人では会わないって言うだろ、きっと」



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