俺のこと好きになるの禁止だから!!


あーあーうん。



あえいうえおあお×5回



から始める発声練習。




「その調子で頑張れよ」




「う、うん…。」




そう言うと、



足を組み椅子に座りながら



ツバサは黙って台本を見ている。




練習しないのかな?




私は一生懸命に練習をしているのに。





「唯ちゃん次行ってみよ~」





「わかった!ヒカリ!…かけきくけこかこ…」





…うん、だいぶ慣れてきた!!




あっという間に発声練習を終えた。





「汗…すごいよ!」




ヒカリに言われて気が付いたら、汗でびっちょり。




「わ!?なんだこれ!?」





「んじゃ休憩だな。倒れても困るしな。」





と、ツバサは自分のカバンからスポーツドリンクを取り出した。




「やるよ」




ぽいっと投げたペットボトルは宙を舞い私のところに




おっととおとと…



…ふぅ。




「お礼は?」



「…ありがと」




それを見てたヒカリ。



「な~に?アンタ急に唯にやさしくなっちゃって~」




ヒカリがからかう。



「そんなんじゃねーよ。」


< 104 / 201 >

この作品をシェア

pagetop