俺のこと好きになるの禁止だから!!



なんでもないよと言えばウソになる。



私は気になっていたのだ。



そう…



彼女は敵になるのかどうかということだった。





「ねぇ?出口さんって好きな人…とかっているの?」




一瞬何かが彼女の前を横切ったかのように出口さんの目は見開いた。




「た、例えば…か、神野とか?」



…この一手は失敗だった。



自分でもよくわかっている。



だってもし、『そうだよ』なんて言われた日には…



『私も』なんて言えないもの。




しばらく考えて彼女は答える。




「え…えっと…ちょっといいな…って…。」



…お、終わった。



ど、どどどどどうしよう!?



好きな人が被った!?



ど、どうしよう!?



「ふ、二人とも応援してくれる…かな?」



彼女は知らない。



私が20日間だけど彼の『彼女』であることを。



「はぁ…」



ヒカリのため息が聞こえる。



わかってるよ。



ヒカリにとっては私も出口さんもどっちも友達だもんね。



私は、『うん』なんて簡単に言えない。



だけど、出口さんも好きなんでしょ?ツバサの事。



だったら、どうすればいい?



私はせっかく仲良くなったのにこの関係崩したくない。



だけど、これ以上関係は築けないかもしれない。



ツバサ、私どうしたらいい?


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