俺のこと好きになるの禁止だから!!



「ところで出口さんは?」



今日は練習に顔を出すって言ってたから気になっていたんだ。




「それがね、唯…」




小さな声で話し出す。




「あの…ちょっといい?」




「あ、うん。」




私はヒカリのそばへと近づき、教室の隅へと移動した。





「あのね、実はさっきみずほが告白しに行くって、アイツを待ち伏せしに行ったんだ。」



「え!?」



う、そ……



「アイツって、ツバサ?」



「んまぁ、そだけど。」



そわそわしながら笑うヒカリ。



「出口さん…」



一人で笑っている出口さんの顔が思い浮かぶ。


なんだろう。すごく同情している自分がいる。


すると、


「たぶんさ、戻ってこないよ。」


と、ヒカリがため息交じりで言った。



「そうなんだ……」



出口さん、辛いだろうな……




ごめんね。


< 165 / 201 >

この作品をシェア

pagetop