シルティアの魔術師
ガッ…


その場に、乾いた音が響く。


私は、何度も木の弦を斬りつけた。


ーしかしいつまで経ってもその場には乾いた音が響き続ける限りで、その弦には傷一つ付かなかった。



…そして私の斬りつけるペースが落ちた時。


「うぁっ…!」


ー反撃とばかりに、大木は私の体を強く締めつけてきた。
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