君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
あっ…
翔ちゃんのクセだ。昔からいつも私か桜子(主に私だけど)が落ち込んでいる時は、いつもこうやって頭を撫でてくれたんだよね。


そんな翔ちゃんに自然と笑みがこぼれる。


「あ~あ。本当に昔っから翔太は菜々子には甘いよな。…まさかお前ら、私に内緒でデキてんのか?」


……!!


「「そんなわけない!!」」


桜子の言葉に思わず翔ちゃんと声がハモッてしまった。


「はん!別にただのジョークだよ。な~にを2人して熱くなってんだか。さてと!私はビール飲み飲み、部屋でゲームやりたいからお先に~」


そう言うと桜子はまるでオヤジのように立ち上がり、ビールとつまみを片手に部屋へと消えていった。


全く桜子ってば…!なんでいつもあんななのかな。


まぁ…いいところは沢山あるんだけど、本当に性格が男らしいのよね。


「さてと、片付けるか」


そう言うと翔ちゃんは何事もなかったかのように立ち上がり、食器を片付け始めた。


「あっ…翔ちゃん!たまには手伝うよ」


「そうか?悪いな」


「いえいえ。っていうかいつも翔ちゃんに任せっぱなしでごめんね」


「あはは!何をいまさら」
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