君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「いや…まぁ、そうなんだけどさ…」


たまにこうやって翔ちゃんのお手伝いをするんだけど、決まって洗うのは翔ちゃんで、私は拭く専門。


カチャカチャと翔ちゃんが食器を洗う音だけが、異様にキッチンに響き渡る。


「…あのさ、さっきの桜子の話」


「えっ…?」


「いやさ、俺と菜々子がデキてるって話さ」


「あ~!…全く!桜子ってば失礼だよね!っていうかこうやっていつも3人でいるのにさ、なんであんな発言が出てきたのか不思議だよ」


「そうだな…。だけどさ、なんかちょっと色々と考えちゃったよ」


「えっ…?」


どういう意味?


「世間一般に言ったらさ、俺達かなり異色だと思わない?若い男女3人の共同生活ってさ」


「まぁ…そりゃあ。でもうちら小さな頃からの幼なじみだし」


「そうだけどさ。周りからしたら桜子の話じゃないけど、恋人同士になっても不思議じゃないんじゃない?」


そう言うと翔ちゃんは急にジッと私を見つめてきた。


えっ…えっ…えぇっ!?

しょっ、翔ちゃんってば一体何!?


軽くパニック状態の私を見てか、翔ちゃんは今度は急に笑い出した。


「なっ…何なのよ!」
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