2LDKの元!?カレ

「……そうだったんだ」

西野くんはもらった名刺を大事そうに、ジャケットの内ポケットにしまった。

「何はともあれ電話番号もゲット出来た訳ですし、チーフのためにカラダ張って取材許可をもらってきますよ」
「カ、カラダって?」

鏑木圭にどのような意図があって西野くんに名刺を渡したのかは分からないが、こんな時に働く想像力は果てしなくて困る。

「カラダです」

西野くんが意味ありげにそう言うから、私の想像はもう、止まらない。

「ダメダメ。いくら企画が大事でも、西野くんにそんなコトさせられないよ」
「大丈夫ですよ、オレノーマルなんで。チーフが想像しているようなコトだけには、ならないよう頑張りますから」

ニヤリと笑われて、カッと顔面が熱くなる。

少し考えすぎだったのかもしれないと思うと、急に恥ずかしくなって。

すっかり冷めてしまった紅茶を一気に飲み干した。
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