イジワル上司のヒミツ
「そう。だから、明日は彼氏んとこ泊まるから〜」

「了解」


茉莉は昼間は大学に行き、夜はキャバクラのバイトをしている。

ちなみに…茉莉の彼氏は、茉莉がバイトしているキャバクラのボーイ。

だから、茉莉がバイトがある日は、ボーイである彼氏と店で会うため、そのまま彼氏の家に泊まることがお決まりコース。

茉莉は週に3回バイトを入れていて、バイトのたびに彼氏の家に泊まるから、私は週に3日は一人暮らし状態だ。






「今日のメニューは?♪」


部屋着に着替えた私は、キッチンで夕飯のしたくをする茉莉に近寄った。




「ナポリタン!でもね…ちょっと失敗しちゃったかも(汗)お姉ちゃんが作るナポリタンの方が、おいしいよ」

「大丈夫大丈夫。あれ?あんたも、まだ食べてないの?」

「うん。お姉ちゃんのこと、待ってたから」

「ごめん(汗)先に食べても良かったのに〜」


茉莉に一言、連絡してあげれば良かったな…

少し後悔しつつ、カバンから携帯を出そうと、カザガサと手で探る。




ん…?

あれ?






「お姉ちゃん、これくらいでいい?……どうしたの?」


ナポリタンをお皿に盛りながら、私を見て茉莉は不思議そうな顔をした。





「ない!携帯がない!!」

「えっ…!」


いつもカバンの中に入れている携帯が、どこにも見当たらない。
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