幽霊女に恋をした。

龍side




俺が、学校から帰ってきたとき


晴は家にはいなかった。




すぐに帰ってくるだろうと思って


しばらくは、部屋でじっと待っていたけど...



晴は全然帰ってこない。





どこ...行ったんだよ...


しびれを切らした俺は、家を飛び出した。




晴の笑顔だけが頭の中をぐるぐる回る。



土手に行って、スーパーに行って


学校に行って...とにかく、晴と行ったところ


をひたすら回った。





...怖かった。


俺が大切に思ってる人が、側からいなくなる


のが。




誰よりも、俺をわかってくれた


母さんが、一瞬で俺のそばから居なくなった。




その時みたいに、晴まで居なくなったら...




そう考えると、たまらなく怖くて。






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