幽霊女に恋をした。
慣れてくれば、生活もそこまで
苦しくなくなり、生活にも
余裕が出てきた。
そのわずかな余裕で、兄は私に
護身術を学ばせてくれた。
そのおかげで、私は人並みか、
それ以上ぐらい剣は使えるように
なった。
そして、私が16の時…
京を騒がせていたのが、不逞浪士と…
壬生浪士組。
この、『壬生浪士組』というのは
後の、新選組という組織。
壬生浪士組、通称、『みぶろ』
の評判は、散々なものだった。
特に、局長の芹沢鴨という男の人が
とっても危険なんだとか。
だけど…私は、どうしてか怖い
と思わなかった。
浅葱色の羽織をなびかせて
歩く人たちを目にすると、京の
人たちは、ひそひそと陰口を言い始める。