幽霊女に恋をした。
「本当に、迷惑な話だよなぁ」
「早く京から出て行ってほしいよ」
なんて言葉を聞いて、先頭を
歩いている髪の長い小柄な男の人が
肩を落として、うなだれるのが見える。
「平助、いちいち気にしてたらキリがないでしょ」
そう、髪が短めの人に言われても
小柄なほうの人の目線は上がらない。
私は我慢できなくなって、陰口を
言い続けてる町の人たちの
目の前に立って
「陰口言うのはやめて下さい!噂とか、偏見とかで決めつけて悪者扱いするのはおかしいです!」
と、言い放っていた。
一気に集まる注目。
な…なんで、こんなこと言っちゃった
んだろう…!!
しかも、こんなところで、大声あげて…
は…恥ずかしい…!!
「へぇ…僕たちの味方する人なんているんだ」
髪が短めの人が、驚いたように
言うのが聞こえた。
恥ずかしさに俯く私の視界に
自分以外の足が入ってきた。