私、ヴァンパイアの玩具になりました
さすがに八時超えていたので、私と嶺美さんは玄関でおじさんに怒られたんですが…。

「遊ぶのが悪いとは言わない。だけどな、ちゃんと時間を見て遊ぶということを…、…………」

おじさんは怒っている途中で、何かに気付いたのか私の首筋を見る。そしておじさんは嶺美さんへ驚きの視線を向けた。

「……おい、嶺美…」

「……なんだよ」

「…お前……、…………」

おじさんはどう言おうか考えているのか、それとも言葉が出てこないのか、少しの間ポカーンとしていた。

「だからなんだよ」

「………遊んでたっていうのは…、…え……。……ゆ、…優さん」

何故かおじさんは焦りながら、私の名前を呼んだ。

「……は、はい…?」

「……嶺美とどこで…何をして遊んでたんだい?」

「……へ?…えっと……」

体育館倉庫、というのも変ですよね…。ど、どこで遊んだと言いましょうか…。

「……公園」

私が答えに困っていると、嶺美さんが小さく答えた。

「……公園で何をしていたんだ?」

「…お、お話をしてました」

「………じゃあ優さん、その首筋についている赤い痣はなんだい?」

「…赤い痣ですか……?」

私は心当たりがなく、頭を傾げた。何が何だか分からず、困った私は嶺美さんの方を見た。私と目が合うと嶺美さんは深い溜息を吐く。

「……虫にでも刺されたんだろ」

「…嶺美、……怒らないから本当の事を言いなさい」

「……ふぁあ…」

嶺美さんはおじさんの言う事を無視して、あくびをした。

「……嶺美、言いなさい」

「…はぁ……ただのキスマークだろ……」

「…え!?…れ、嶺美さん、いつつけたんですか!?」

嶺美さんの答えに私は驚いて、顔を熱くしながら思わず声をあげて質問してしまう。

「……血、飲んだ後だよ」

「嶺美!お前、血も飲んだのか!」

嶺美さんの発言におじさんは声を張り上げて嶺美さんに怒鳴った。そんなおじさんを見て、嶺美さんは軽い溜息を吐く。

「………仕方ねぇだろ。コイツの血が悪いんだよ」

そう言いながら嶺美さんは私の事を親指で指さした。

「わ、私が悪いんですか…?!」

嶺美さんの言葉に驚いた私は目を見開く。

な、何故か私が…というより私の血がどうやら悪いらしいです……。

「……あぁ」

嶺美さんは短く答えると、階段の方へと歩き出した。

「おい、嶺美!まだ話は…」

「腹減ったんだよ、明日で良いだろ。おい、バカも飯食うぞ」

「はぁ………。アイツは本当に…。……優さん」

「は、はい」

突然、おじさんに呼ばれ怒られるのかと思い、思わず肩を震わしながら返事をした。

でも、いつまで経っても何も言われなくて、不思議に思っておじさんへ視線を向けると優しく微笑んでいた。

その事に驚いた私は目を見開く。おじさんはニコッと微笑むと嶺美さんへ視線を向けて口を開いた。

「嶺美が嘘ついてるのは分かっているんだよ。…何かあったんだろう、優さんに。……でも、アイツが隠すという事は今までなかったんだ。隠すような事はしてこなかったからね」

「………………」

「別に責めている訳じゃない。むしろ嬉しいんだ。……アイツが誰かの為に何かを隠す事が出来るようになったからね。…何があったかは聞かないよ。……嶺美が隠した意味がないからね。……でも、もうこんな夜遅くに帰ってきたらダメだからね。兄弟みんな、心配していたんだから。勿論、私も」

おじさんはそう言うと、私の頭を軽く撫でる。

「……すいません…」

心配をかけてしまった事に罪悪感を感じた私は、小さく口を開く。

そんな私を見ておじさんはクスクスと笑う。

「……大丈夫だよ。…ほら、嶺美が待ってるから二人でご飯を食べてきなさい。もうメイド達が二人分のご飯を用意しているからね」

「…はい、ありがとうございます」

私はおじさんに少し微笑んでお礼を言うと、嶺美さんがいる所まで走って向かった。

ご飯を食べ終わったその後からは、いつもと変わらない時間を過ごし、何事もなくその日を終えた。
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