私、ヴァンパイアの玩具になりました
「じゃあ、おばさんの電話番号に掛けてから、私に代わってくれないかい?」


「は、はい………」

私は黒い電話機におばさんの家の電話番号をいれて、おじさんに渡した。


「ありがとう。じゃあ、お嬢さんは家の中を探検してくると良い。私の予想が当たっていれば、お嬢さんは今日から、ココに住むことになるからね。………あ、もしもし……」


おじさんはニッコリ微笑んで、おばさんと話し出した。


私はおじさんにお辞儀してから、長い廊下を歩き適当に長い階段を降りた。


「凄い、広いな………」


一階に降りて、広い廊下をフラフラと歩く。私が、かどを曲がると、ドンッと誰かにぶつかった。私は、ぶつかった衝撃で尻もちつく。


だ、誰かに、ぶつかっちゃった………。

「す、すいません……!!」

私は、咄嗟に謝る。

「……………、お前、誰?泥棒?」

「………ぃ、いえ!決して、そんな事は……」


私が、ぶつかった誰かの誤解を解こうと顔を上げた。

「……………何?俺の顔に、なんかついてんの?」


綺麗な赤髪。ちょっと、癖っ毛な髪の毛。目は、赤色の切れ長。脚が長くて、スラッとしている。

おとぎ話の国から、出てきた王子様みたい……。

「い、いえ!なんか、王子様みたいに格好良くて、ビックリしただけです!………え?!」


自分で言っておいて、自分にビックリする自分。顔がだんだん熱くなるのが分かった。


「………くくっ……。なんだよ、それ………」


赤髪の王子様は、目を細めて笑う。


笑った顔までも、王子様みたい……。

「す、すいません…………」

私は自分で立ち上がってお尻をパンパン叩く。

「……別に。で?アンタ誰?」

「あ、えっと……。神咲優です……」

「ふーん……。なぁ、アンタ、親父と話した?」


「……おじさんですか?」

「まぁ、多分、そのおじさん。血、検査したんだ………」

赤髪の王子様は私の腕についている包帯をみて呟く。


「はい。しましたよ?」

「ランク。…教えろよ」


「えっと。SSAです」

「……………?!…………ふーん」

赤髪の王子様は、一瞬ビックリした後。ニヤニヤと私の事を見てきた。私は首を傾げる。


「あ、の………?」


ちょっと、恥ずかしいんだけどな……。


「SSAか………。一回飲んでみたかったんだよな…………」


私は赤髪の王子様に、肩を押され壁に押し付けられる。

「……………っぅ。………ぇ?あの………」


「………じゃあ、ちょっと味見……。いただきま…」

赤髪の王子様は私の首筋に唇を当てる。その時、タイミング良くおじさんが登場した。
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