Wonderful DaysⅠ
「───何だ」
会話を始めた魁さん。
聞いたら悪いと思って席を立つ私を視線で捉えた魁さんに、トイレを指差してゼスチャーで伝える。
トイレに入れば左側に見えた洗面台の鏡。
そこには、黒髪に黒い瞳の自分が映っていて……
今では見慣れてきた色だけど、この色が元に戻る事なんてあるのかな……
高校生活も、あと1年とちょっと。
その間だけでも、この色は隠したい。
あんな思いをするのは、もう嫌だ……
沈んだ気分を払拭するように、パチンと両頬を叩いた。
───うん、大丈夫!!
一度、大きく深呼吸をしてからトイレを出ようとすると、入り口の扉が開いて同じ年くらいの女の子数人が入って来た。
それを避けて、出ようとすれば
「ねぇ、あなた」
先頭にいた女の子に声を掛けられた。