Wonderful DaysⅠ


───蓮さん、あなたは一体、何キロで走っているんですか!?


魁さんにしがみついている私だって、このスピードで吹っ飛びそうなのに。

それを軽く超えるようなスピードで走り去って行ったよね!?

って……蓮さん、あんなに急いで何処に行ったんだろう?

不思議に思っていれば、前方から聞こえてくる沢山の車の急ブレーキとクラクションの音。


───何? まさか、蓮さん事故にあったんじゃ……


蓮さんが事故にあった場面を想像してドキンドキンと煩くなる私の心臓。

その音を気にする事無く、走り続ける魁さんは全く慌てる様子も見られない。


───って事は、違うのかな……


そんな事を考えていれば、細い道から大通りに出るバイク。

目に飛び込んで来たのは、大通りのど真ん中で車の流れを止めていた蓮さんと反対車線の葵さんだった。


───葵さん!?


いつの間に魁さんのバイクを追い越していたの!?

葵さんのバイクの音すら聞こえなかったと思うんだけど……

魁さんが右折すると、それを確認した葵さんと蓮さんも後に続いて走り始めた。

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