Wonderful DaysⅠ


「──…本当か?」


私を真っ直ぐに見つめる双眸には、有無を言わせない力があって。

声に出してしまったら全部言ってしまいそうで、鋭い視線に耐えながら頷くのがやっとだった。

そんな私の態度に顔を顰めた魁さんは


「金の事なら気にするな。田中には、俺が後で払っておく」


「すみません……」


謝る私に溜め息を吐いて


「わかったから、そんな顔するなよ……」


頭をポンポンする。


「……すみません」


もう一度謝ったのは、本当の事を言えなかった事への謝罪。

頭に触れた魁さんの手が温かくて、涙が出そうになるのを必死に堪えていた。




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