Wonderful DaysⅠ
階段を下りてリビングに足を踏み入れれば
「こっちへどうぞ」
ひょっこりとカウンターから顔を出した修に呼ばれてソファーに座ると、目の前に運ばれてきたティーカップからダージリンのいい香りが漂ってきた。
「ありがとう」
お礼を言ってティーカップを手に取り、こくりと一口。
マリアの姿を見るまでは気が張っていたから気付かなかったが、ホッとした今は喉がカラカラになっていた。
紅茶で喉を潤したところで、今回の一番の来日目的であるマリアの近況を聞く。
「最近のマリアの様子はどう?」
修に視線を向ければ
「相変わらずだよ・・・」
困った顔をして肩を竦める。
「相変わらず・・・か」
日本に来れば少しは変わるかも・・・と期待していたが、中々上手くはいかないらしい。