魅惑のハニーリップ~危険な冒険編~
「遥ちゃん、ごめん。…とりあえず今日はこのまま寝ていい?」
「え?…うん…」
「明日の朝、シャワー浴びてから会社行くわ…」
「…わかった。…おやすみ」
聖二さんはそのままフラフラと歩いて、ベッドルームへと消える。
帰ってきてそのまま寝ちゃうなんて…
よっぽど飲みすぎて辛いんだね。
それに、明日も仕事なんだよね…
今からじゃ、そんなに寝る時間もないのに。
聖二さんがほぼ無意識で乱雑に脱ぎ捨てたスーツを、私は拾い上げてハンガーにかける。
すると、上着のポケットから名刺らしきものが一枚、ハラリと床へ落ちた。
得意先の人の名刺が落ちたんだって、最初は思ったけど…。
それを拾ってよく見ると、普通の名刺とちょっと違っていた。