小悪魔な彼
「俺がしたことは、ほんと卑怯なことだよな……。
いくらお前のことが好きだったとはいえ……あんなお前らをはめるようなことをして……。
あとから考えて、すげー男らしくねぇ、って思って反省した。
悪かった」
「猛にぃ……」
「今日は、その手紙を渡すためってこともあるけど、
それよりも俺から謝りたくて会いに来たんだ」
顔を上げ、眉をしかめるその顔は、本当に自分のしたことを悔いているような顔だった。
「べつに……もういいよ」
あたしは手紙をコートのポケットにしまい、猛にぃに答えた。