小悪魔な彼

「俺がしたことは、ほんと卑怯なことだよな……。
 いくらお前のことが好きだったとはいえ……あんなお前らをはめるようなことをして……。
 あとから考えて、すげー男らしくねぇ、って思って反省した。
 悪かった」

「猛にぃ……」

「今日は、その手紙を渡すためってこともあるけど、
 それよりも俺から謝りたくて会いに来たんだ」


顔を上げ、眉をしかめるその顔は、本当に自分のしたことを悔いているような顔だった。


「べつに……もういいよ」


あたしは手紙をコートのポケットにしまい、猛にぃに答えた。
 
< 404 / 416 >

この作品をシェア

pagetop