小悪魔な彼
「引っ越してから、耳がくさるほどお前の話ばっかで……。
確かに妬みもあったかもしんねぇけど、お前のことが好きだったのは事実だよ」
「……っ」
それを聞けただけで、十分だった。
大好きだった友達に、突然の仕打ち。
そんなに自分が嫌われていたのかと思っていた恐怖。
だけどそれはどこかでねじ曲がってしまっただけで……
「あたしも……葵ちゃんのこと、大好きだよっ……」
あたしは、写真を握り締めて涙をこぼした。
「それと……」
猛にぃが改めてあたしを見る。
あたしは流れてい涙をぬぐって、猛にぃを見返した。
「すまなかった」
猛にぃは、深く頭を下げた。