小悪魔な彼
 
猛にぃの気持ちは確かに嬉しかった。

たくさん甘えてた部分もあった。
だから猛にぃだけが悪いとは言えない。

期待させるようなことをしていたあたしもいたから。



「猛にぃ。
 やっぱり猛にぃは、あたしにとって意地悪な存在のほうがいいよ」

「ふざけんな」



イタズラな笑みでそう言うと、猛にぃもあたしの頭を小突いた。



もう、恐怖という対象にはならない。

だけど意地悪をされるくらいのほうが、猛にぃらしいと思うから。



「俺をふったこと、後悔すんなよ」

「ふふ、そうならないようにするよ」



後味の悪い幼馴染との関係は
これからも続く笑顔の関係になった。
 
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