小悪魔な彼
「優しくて…頼りがいがあって……背が高くて……。
包容力があって……」
「最後、増えてますね」
「あれ?そうだっけ?」
「はい」
あの時、言い忘れただけなのか、それとも今思いついたのか、それすらも分からない。
だけど、年上ならではものが備わっているのがタイプだ。
「香澄先輩」
峰岸くんは、あたしを見つめた。
その顔は、言うなれば「男」だ。
後輩、という立場でも、小悪魔というキャラでも……
年下、というくくりでもない。
その瞳に、あたしの心臓はどんどんと加速を増していった。