小悪魔な彼
「俺は優しくないですか?」
「え?」
突然投げられた質問。
一瞬、間をあけて考えた。
あたしが保健室で寝ていると聞いて、すぐに駆け付けた峰岸くん。
手を握って目が覚めるのを待って……、帰りは送ってくれて……。
「優しいと……思うよ」
峰岸くんは、にこっと微笑んだ。
「俺は頼りがいがないですか?」
次の質問をされ、ようやくなんでこんなことを聞いているのか分かった。
峰岸くんが聞いているのは、あたしの理想のタイプのことだ……。