The side of Paradise ”最後に奪う者”
綺樹は参ったなと顔をなぜた。
「日中はずっと試験だから、夕食かな。
それで構わないのなら会おう」
「迎えに行きます」
涼は寝なくてもいいらしい。
いや、寝なくてもいい、というのは問題か?
食事だけで十分楽しめる友人関係として成り立っていて、ならばの発言ならいいが・・。
一番いいのは体関係だけ、というのだ。
でも電話だけでは、涼の考えは全く読み取れなかった。
遠く離れた場所であれこれ考えても無駄だ。
綺樹は強制的に試験へと頭を切り替えた。