The side of Paradise ”最後に奪う者”

「涼、邪魔したな」

「本当に殺したいほど邪魔だ」


その声音に綺樹は涼の冷たい顔を見つめた。

こういう顔をするようになったのはまた驚きだった。

裏の社会に属する者たちが時々する。

味方でも裏切られた時には非道な措置を下す時。

2度目の結婚の時、涼の腕に刺し傷のようなのが何箇所も走っているのに気が付いた。

聞くと、店での酔っ払い同士の喧嘩や、ドラッグの取り合いなどを収める時、ついたと言っていた。

涼は放浪生活の時に色々なことを学んだらしい。
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