The side of Paradise ”最後に奪う者”

「私に連絡が取りたい時は、NYのダバリードに電話をかけて。
 綺樹・ウルゴイティといえば繋がるから」


にっこりと笑う。

瞬の顔に驚きが走って涼に視線が飛び移った。

その様子に瞬が妻だった女の名前だけは知っていたことがわかる。


「そうでしたか。
 涼から常々伺っていましたが、お会いするのは初めてですね。
 光栄です。
 ぜひ、今度、ご連絡ください」


瞬が好印象を抱かせる微笑を向けた。

だがその目は油断がない。

というか醒めているのに、綺樹は少し瞳を細めた。
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