The side of Paradise ”最後に奪う者”
綺樹は成介の言葉が効いたのか、その夜から更に状態が好転した。
季節がひと回りした頃には、涼が一時、抱いた危惧感も杞憂のようだった。
そして、別の悩みが涼を再び苛む。
その夜は接待ですっかり遅くなり、屋敷の正面玄関を上がった時には真夜中を過ぎていた。
二階の居間の電気も綺樹の寝室の電気も消えている。
ちゃんと寝ているようだ。
涼は直接自分の使っている寝室に入った。
背広の上着を脱いでいると、ドア越しに居間からの物音に気が付いた。
居間をのぞくとテレビがつけっぱなしだった。
部屋の電気をつけてリモコンを探す。
涼は寝室で寝ていると思い込んでいたので、ソファーで横になっているのを見て、一瞬どきりとした。