The side of Paradise ”最後に奪う者”
なぜ綺樹と話していると、いつもこういう方向に行くのか。
ついかっとなる。
「そういうことで、おまえを責めたってしょうがない」
涼はさらりとした口調に変えた。
「それとも責めて欲しいか?
それなら一晩じゃ足りないくらいだぞ」
肩越しに振り返って、綺樹を見る目は茶目っ気に溢れていた。
綺樹はゆるく笑っただけだった。
気分の切り替えが上手になったな。
前だったらそのまま不機嫌なままだ。
綺樹はインゲンの筋を取った後の白い部分を見つめた。
昔と比べてばかりだな。
二回目の結婚の頃から、以前の涼と比べてばかりだ。
自分が関わらないところで、涼がいい男に成長していくのが寂しい。
これからはもっとだ。
もう滅多に会わない。
1年に1度なんてものじゃない。
3年?5年?
そんなに長く、涼と会わなかったことなんて今まで無い。