またね…

宝物

「わかればよしっ!」



先輩は私の髪をクシャクシャと撫でた。



この幸せな一時…



この世にこんなに幸せなときがあったかな…




生きてて良かった…




卒業してからもよく会う香奈に感謝しないとね。








「眠くなっちゃった〜。ここで寝ていいかな〜」



先輩は車椅子の上で頭に手を乗せ、小さい子供のように言った。



「ダーメ!元気になったら干からびるまで寝かしてあげるからっ」



「干からびるのは嫌〜!」



たまぁに出てくる可愛い先輩も好き。





先輩だったらなんでも好き。






人を愛すって魔法の力だね。





愛している人のためになんでもできる。





でも、この魔法はいい魔法でもあり悪い魔法でもあるんだ。







右手首の傷…




これは“愛”という魔法を悪くもない、でも決していい使い方でもない。





やってはならないことをしてしまった証。











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