またね…
「失礼します…」


重いドアを開きながら言った。


「早川?」


「はい。調子はどうですか?」


「全然元気だよ。」



………。



何を話せばいいのかわからない…。




「ちょっと美希ちゃん、いいかな?」


「はい。」


先輩のお母さんが立ち上がった。


何の話だろう…


ちょっと心配しながら、先輩のお母さんについて行った。



「美希ちゃん、ごめんなさいね…」


先輩のお母さんは涙を流しながら言った。


ウチの息子が何も覚えていないから美希ちゃんを苦しめてると…



そんなことない。


私にとって先輩が生きていてくれただけで十分幸せです。って先輩のお母さんに言った。


そしたら、泣きながらありがとうって言ってくれた。


「今日は帰ります…」

そう言って私は病院を出た。


先輩ともっと話がしたい。

でも、きっと先輩の前で泣いてしまう。


先輩のお母さんの気持ち、わかるよ。



例え、自分を覚えていても誰かを忘れていることは心配だもんね。


でも、きっとこれが私に神様からの天罰だね。


もっと強くなれって言う試練かな。


でも、私は乗り越えてみせるよ。
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