【完】私は貴方を愛せない
そして三度目の夏がやってきた。
部活にも去年の名誉があるからか、たくさんの新入部員が集まってくれた。
「はいはーい!皆の練習用のユニフォーム作ったからお金はこっちね!!」
あかね先輩がいない分私が頑張らなきゃ。
「杏奈」
「あ、涼介!こっちは順調だよ」
「まだ練習に入れないからちょっとヤバいんじゃないのか?新入生」
「そうなんだよね・・・」
涼介も今となっては野球部の部長であり、リーダーでもある。
マネージャーなのに私が副部長。
ありなのかなって思うけど・・・。
「もう夏なのにね。まぁでも大体甲子園出るメンバー決まってるし。一年生の中でも結構いいなって思う子はびしばし指導していけばいいと思うよ?」
「そうだな。第二の俺が現れてくれる事を祈るよ」
「あっそっか!涼介一年生の頃からそうだったもんね!」
すごく時間が流れたんだなと実感する。
涼介と出会ってもう今年で二年目なんだなぁ。
「こら、ボケっとすんな」
コツンと頭にげんこつを当てられ私は我にかえる。
「はぁい」
あかね先輩は心配してたけど、今じゃ私と涼介の仲は野球部公認だ。