契約妻ですが、とろとろに愛されてます
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車がマンションの地下駐車場に停まると、私は目を開けた。退院して興奮しているせいか、ウトウトとしただけだった。


「起きたのか」


「うん」


「俺から楽しみを奪ったな」


「え?」


何のことか分からず、首を傾げて琉聖さんを見る。


「抱いて連れて行こうと思っていた 運転中そんなことを考えながら心が浮き立っていたよ」


「琉聖さん……」


恥ずかしいことをサラっと言うんだから……。


光によって金色にも銅色にも見えるアンバーの瞳に見つめられて身体が熱くなっていく。


******


私は琉聖さんのマンションの大きなバスタブでゆっくり寛いだ。


「気持ちいいっ」


両手、両足を大きなバスタブに伸ばす。やっと退院出来てこれからの生活は琉聖さんと一緒。病院で一緒に居た時とはまったく違う生活になるはず。ウキウキと弾むような気持ちに浸りながら、ゆっくりとバスタイムを楽しんだ。


バスルームから出てリビングルームへ足を運ぶとキッチンから琉聖さんが出て来た。手にはカップを持っている。


「ホットミルクだ」


「ありがとう……こんなにしてもらったらずっと甘えてしまいそう……」


カップを受け取り、程よく温められたミルクを飲む。


「甘えてくれた方が嬉しいよ 飲んだらベッドに入ること ああ、俺が抱き上げて連れて行こうか」


「じ、自分で行けます……琉聖さんは?」


「まだ仕事があるんだ 気にせずに先に休んでくれ」


両頬を大きな掌で囲まれるようにして、額にキスが落とされた。

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