契約妻ですが、とろとろに愛されてます
真宮さんはベッドの端に腰をかけていた。


私が着替え終わって戻ったのを見ると、スッと優雅な所作で立ち上がる。


「いろいろとありがとうございました」


「車で送ろう」


「いいえ、大丈夫です」


申し訳なくて、右手をぶんぶん振る。


「送るくらいわけないが?」


「あ!あの、電話を貸してもらえますか?」


「携帯を忘れたのか?」


「持っていないんです 特に必要なことも無いので」


真宮さんはポケットから携帯を出して私に渡してくれた。


家に電話をかけると、すぐにお姉ちゃんが出た。


「お姉ちゃん、ごめんね 昨日、麻奈に誘われて……うん、わかった、これから帰るから」


携帯を切ると、真宮さんにお礼を言って返す。


「叱られたのか?」


「いいえ……信用はしているけど、心配したって」


「ご両親は?」


「高校の頃、事故で亡くなったんです 姉と弟、三人で暮らしているんですけど、両親が亡くなったのが事故だったので、それ以来連絡がないと心配するんです」

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