契約妻ですが、とろとろに愛されてます
琉聖Side


立ち上がってバスルームに行く後姿を俺は眉をひそめて見守っていた。


顔色が悪いな……。


今日、柚葉と約束したドライブに行こうと思ったが止めようかと考える。







「え……?」


柚葉が紅茶を飲む手を止めて俺を見る。


「行かない……?」


柚葉がオウムのように聞き返す。


「あぁ、まだ体調が悪いだろう?」


約束のドライブのことだ。俺は体調を考えて、行かない方が良いと言ったのだ。


「昨晩のは薬を飲み忘れていただけで、もう体調は悪くないよ?」


大きく首を横に振り、黒目がちの大きな目で俺を睨む。


「ゆず、ドライブはいつでも行けるだろう?」


食べるようにクロワッサンを渡しながら言う。


「……」


クロワッサンを受け取るも柚葉は俯いてしまった。


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