契約妻ですが、とろとろに愛されてます
琉聖Side


俺の側で柚葉に電話をかけた桜木の口から重いため息が漏れたのが聞こえた。


「大丈夫だったか?」


「ええ ですが寂しそうで気の毒になりましたよ」


「……ありがとう」


書いていた手を止めて目の前に来た桜木を見る。


桜木の浮かない表情を見て眉をひそめる。


「どうしたんだ?柚葉のことか?」


「はい ご伝言は気にしないで仕事をして欲しいとのことでしたが……声が悲しそうで気になったのです」


「そうか……電話をしてみるよ ありがとう」


そう言って再び書類に目を落とした。


桜木はなぜ俺が自分で電話をしないのかを知っていた。柚葉に遅くなると告げるのが嫌なのだ。心細い柚葉の声を聞けば仕事を放り出して帰りそうだ。しかし今は大きな契約を抱えている。海外で時差を考えなくてはならないのだ。


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