契約妻ですが、とろとろに愛されてます
「でも……」


自分が出来ることをやってもらうなんて……。


「手続きは桜木にやってもらおう。君はまだ身体が本調子でないのだから無理は禁物だよ」


そこまで言われたら、自分でやると言えない。


「ゆず、もう寝たほうがいい」


「え……」


まだ琉聖さんと一緒にいたいと思った。側にいるだけで良かった。


「琉聖さんは?」


「すぐに行くから先にベッドに」


「はい」


私は返事をして寝室に向かった。


シャワーを浴びてナイトドレスに着替えた私はベッドに横になった。眠気を堪えながら待っていると琉聖さんが入ってきた。きれいに筋肉が付いた上半身に、私は思わず目を逸らしてしまう。


そんな私を笑って、隣に横たわると腕の中に引き寄せてくれる。


「若奥様、おやすみ」


「ゆずを後で食べるって言ったのに?」


「そんなに無邪気な顔で言うなよ これでも我慢しているんだ」


琉聖さんは噛みつくようなキスを私にしてから、胸板に私の頬がぴったり付くくらいに抱き寄せてくれた。

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